今日は、神社で奉仕をしている神職の呼び方についてお話します。
みなさんは、神主という言葉以外にも、神職の呼び方を知っていますか?
実は、地域や歴史によって、様々な呼び方があります。
今回は、その中から代表的なものを紹介していきます。
神主とは
まず、最も一般的な呼び方が神主です。
神主とは、文字通り「神に使える主(ぬし)」という意味で、その神社の主となる神職を指す言葉です。
しかし、現在では、神社に関わるすべての神職の総称として使われています。
神官とは
次に、よく耳にする呼び方が神官です。
この言葉は、明治初期に官国幣社以下の神社に奉仕をする神職の総称として用いられていました。
官とは、国家の官吏(かんり)であることを示したもので、当時は国家から給与や禄(ろく)が支給されていました。
その後、伊勢の神宮の神職のみに使われるようになりましたが、現在でも一般的な呼び方として残っています。
祝部・太夫とは
さらに古くは、祝部(はふりべ)や太夫(たいふ・たゆう)という呼び方もありました。
これらは、古代から中世にかけて使われていた名称で、それぞれ異なる由来や意味を持っています。
祝部
祝部とは、単に祝(はふり)とも称されることがあります。
これは、「口寄せ」という意味で、祭祀の際に天地や諸々の霊(たま)に対して言葉をかける役割を担っていました。
また、「卜部」と同じく、「部」という集団を形成していたことも特徴です。
現在でも、「伊勢国一之宮 倭姫命大神宮」や「伊勢国二之宮 忌部氏大神宮」などの社名にその名残が見られます。
太夫
太夫とは、五位の位階を持つ官人(かんにん)の通称としても使われていました。
しかし、神職については、伊勢の神宮の神官の一種である祠官(しかん)に対して古くから用いられていました。
また、「禰宜の太夫」「神主の太夫」という呼称などでも呼ばれており、他の神社でも祭祀に奉仕をする神職の名称として使われています。
私の地元でも、「太夫さん」という呼び方が残っています。
宮司・禰宜・権禰宜とは
最後に、宮司・禰宜・権禰宜という呼び方もあります。
これらは、神職の役職名で、神社の規模や格式によって異なります。
宮司
宮司とは、神社の最高責任者であり、祭祀や管理を統括する役職です。
宮司は、神社の規模に応じて、宮司の補佐を行う権宮司という役職が置かれています。
禰宜
禰宜とは、神社の次席責任者であり、宮司の補佐や代理を務める役職です。
会社で例えると、副社長、部長などの役職に近いでしょう。
権禰宜
権禰宜とは、禰宜の補佐や代理を務める役職です。
一般的には「神職」と呼ばれるのは、この権禰宜以上の役職の方を指します。
ちなみに「見習い神職」と呼ばれるのが「出仕」という役職もあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、神主という呼び方以外にも、神職の呼び方をいくつか紹介しました。
地域や歴史によって、様々な呼び方があることがわかりましたね。みなさんが普段使っている呼び方はありましたか?
もしかしたら、みなさんの地域では、違う呼び方があるかもしれませんね。
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